カンジダ
細菌性膣症
2020.11.16
HIV / AIDS
エイズの蔓延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的に、WHOが1988年に制定したもので、毎年12月1日を中心に、世界各国でエイズに関する啓発活動が行われています。
予防会のクリニックでは、11月16日から年末までの期間、HIV抗原抗体スクリーニング検査とHIV迅速検査を通常よりも、かなりの低料金で実施しています。少し心当たりがある方も、まだ一回もHIV検査を受けたことが無い方も、是非、この機会にHIV検査を受けることをお勧めします。
エイズ(Acquired Immunodeficiency Syndrome:AIDS)は、1981年に最初の患者が発見され、特殊な免疫不全による非日常的な感染症や腫瘍を発症して死に至る病態・症候群として認識されました。
1983年に、その原因が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)であることが判明した歴史の浅い疾患です。以降、HIVの増殖を抑制する薬剤の開発と、感染を防ぐためのワクチンの開発が精力的に行われています。
目次 [閉じる]
HIV感染症は、血液・体液等を介して感染し、性感染症の重要な疾患のひとつです。HIV罹患2~6週間後に初感染の症状として50~90%の感染者に何らかの症状(発熱、リンパ節腫脹、咽頭炎、皮疹など)が認められます。
その後、数年~十数年の期間は無症候期と呼ばれ、顕著な症状は現れないと思われていました。しかし、研究の進歩とともに、無症候期は単なる無症候な状態ではなく、毎日100億個前後のHIVが産生され、CD4陽性Tリンパ球はHIV感染により平均2.2日で破壊される活動性のある時期と認識されるようになり、HIV関連神経認知障害(HAND)に代表される脳障害や心血管障害、腎障害、骨代謝障害など、感染者にとって障害が持続する時期として考えられています。
エイズ期は、感染者の免疫が破綻したことが顕在化する時期であり、エイズ指標疾患(表1)の罹患が認められた場合に、エイズと診断されます。
表1.エイズ指標疾患
近年、新規のHIV感染者・エイズ患者の報告数は減少傾向にあります。
令和元年の報告では、新規HIV感染者903人のうち、同性間性的接触によるものが651件(72%)、異性間性的接触によるものが136件(15%)、静注薬物によるものは2件、母子感染によるものは0件、年齢別では、20~40歳代が特に多い世代でした。
図1.日本におけるHIV感染者・エイズ患者報告数
(厚生労働省エイズ動向委員会:エイズ発生動向年報より作成)
HIV感染症の原因ウィルスはHIV-1とHIV-2があります。日本では、ほとんどがHIV-1による感染によるものだと言われています。
HIV感染症の診断は、抗HIV抗体とHIV抗原の両者を検出する検査(第4世代検査)でスクリーニングを行い、この陽性者に対して、HIV RNA量の測定またはWB(ウェスタンブロット)法の2段階で検査を実施し診断します。
第4世代検査では疑陽性率が0.3%、簡易迅速抗原・抗体検査キットでの疑陽性率は1%程度あるので注意が必要です。
病態期の進行度の把握はCD4陽性Tリンパ球(CD4)数、治療効果は血漿HIV RNA量で判定します。(CD4数の正常値:700~1300/mm³)
■初期HIV感染症:CD4数500/mm³以上、HIV RNA量100万copies/ml。
■中期HIV感染症:CD4数200~500/mm³
■後期HIV感染症(AIDS期):CD4数200/mm³未満
HIV感染症は、初感染期、無症候期、エイズ期に分けられます。
■初感染期:
HIV感染後2~6週間に初発症状として、半数以上の感染者に何らかの症状が出ます。(発熱96%、リンパ節腫脹74%、咽頭炎70%、皮疹70%、筋肉痛/関節痛54%、頭痛32%、下痢32%、嘔気嘔吐27%)
■無症候期:
初感染期の症状が消失し、エイズ期に至るまでの数年から十数年の期間(個人差が大きい)。症状が出ないだけで、体内ではHIVが量産されCD4陽性Tリンパ球は破壊され続けています。
■エイズ期:
HIV感染者の免疫機構が破綻した時期。
図2.HIV感染症の病期とCD4陽性Tリンパ球数の推移(慶応義塾大学病院医療・健康情報サイトより引用:http://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000052.html)
現在、日本では24種類の抗HIV薬が使用可能です。HIV感染症と診断されたら、できるだけ早く治療を開始する必要があります。エイズを発症し抗HIV療法をしない場合は2年以内にほぼ100%が死亡すると言われているからです。抗HIV療法は、複数の薬剤を組み合わせて治療を行うので、医療費が高額になります。その場合には、身体障がい者手帳(ヒト免疫不全ウィルスによる免疫機能障害)の取得手続きをすることで、医療費の自己負担を軽減する制度が利用でき、長期にわたる治療継続の経済的な助けとなります。
その後、治療法の進歩によって、強力な抗HIV薬を複数併用する治療でほぼ100%効果があり、一般の人とほぼ同等の生命予後を期待できるようになっている。しかし、現時点での治療は、HIV感染症を根治させるまでの効果は無く、生涯にわたって抗HIV薬の内服継続が必要になります。
治療の成功は、血漿HIV RNA量を検出限界以下にまで抑制することです。現在、日本では20copies/ml未満まで検出可能ですが、世界的には50copies/ml未満でも十分に同等の効果があると考えられています。通常は、治療開始24週以内に検出感度未満(高くても200copies/ml未満)を目標に治療します。「血漿HIV RNA量を検出限界以下にまで抑制する」かつ「CD4陽性Tリンパ球数が200/mm³以上」になれば、エイズ指標疾患はほとんど消失し、HIV感染者の生命予後も劇的に改善することになります。治療効果が不十分な場合の原因は、患者の内服率の低下がほとんどです。HIVは高度に変異することが知られており、中途半端な服用により薬剤耐性ウィルスの出現を許してしまいます。初回の抗HIV薬の服用を継続して、ウィルスの複製を徹底的に抑制することが重要です。
HIV感染の段階で抗HIV療法が開始されれば、一般の人と同程度までの延命が期待できます。エイズ期で治療を開始した場合には、10~20%の死亡率です。したがって、早期に検査で発見し、早期に抗HIV療法が開始できれば、患者自身の生命予後を改善するだけでなく、他人へのHIV伝播を減少することにもなるので、結果的に新規の感染者を減らすことにもつながります。
HIV感染者との性行為によりHIVに感染する確率は、
■コンドーム非使用男性→女性0.1%(1000回に1回)
■コンドーム非使用女性→男性0.05%(2000回に1回)
■コンドーム非使用アナルセックス受け入れ側0.5%(200回に1回)
■コンドーム非使用アナルセックス挿入側0.067%(1500回に1回)
■男性同士フェラチオ(受け入れ側)0.01%(1万回に1回)
■男性同士フェラチオ(挿入側)0.005%(2万回に1回)
※コンドームを使用した性行為では、これよりも確実に低い確率になります。
ちなみに、職業的暴露では、
■針刺し事故0.3%(1000回に3回)
■粘膜暴露(血液が目に入る)0.09%(1万回に9回)です。
HIV感染とエイズに対する正しい知識を持ち、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。
********************************************************************************************
🔰はじめてをサポートキャンペーン
********************************************************************************************
特におすすめセット
********************************************************************************************
性感染症が不安な方へ
あなたの症状から性感染症(STD)をチェックし、
最適なキットをご案内します。
ご自身の症状に近いものを選択してください。
性感染症は、早期発見と正しい治療が大切です。
予防会なら、保険証不要・匿名で誰にも知られずに性感染症の検査を受けることができます。
全国のクリニックでも検査が可能ですし、お時間がない方や病院に行くのは抵抗があるという方は、郵送検査キットをご活用いただくのもおススメです。
万が一、予防会の検査で陽性反応が出た場合には、予防会のクリニックや信頼できる医療機関をご紹介します。
性感染症(STD)は放置すると、取り返しがつかなくなる場合もございます。
お気軽にご相談ください。
COLUMNS
一覧を見る
NEWS
ここまでが本文です