ページの先頭です

ここからヘッダーです

ここからメニューです

予防会からのお知らせや、性感染症(STD)に関するコラムをお届けします。


ここから本文です

2023.08.15

HIV / AIDS

梅毒

淋菌

クラミジア

トリコモナス

マイコプラズマ

特集

性感染症の正しい検査期間について

性感染症は潜伏期間があり、正しく判定できるようになるための期間はそれぞれ疾患ごとに異なっています。
また、治療した後に治っているか、正しく判定出来るようになるための期間もそれぞれ疾患ごとに異なっています。

性感染症の検査可能期間、再検査までの期間まとめ
これらの期間については文献によって異なっており、様々な情報が錯綜しているのが実情です。
そこで、ここでは世界で最も信頼性の高いエビデンスであるUpToDateを基に整理します。

↓UpToDateについてはこちらをチェック!↓

医療情報(性感染症)のエビデンスについて ChatGPTの医療情報の正確性も確認!

 

 

淋菌

検査推奨期間:10日以内
NAATと呼ばれる遺伝子検査(予防会はこのNAAT検査のうち最も感度の高いTMA法を使用しております)を使用すれば、感染機会から10日以内と報告されています(1)

再検査の期間:7-14日後
治療開始してから7-14日後のNAAT検査が推奨されています。
しかし、7日目では偽陽性(治っているのに、間違って陽性と判定されてしまうこと)の確率が高いとされています(2)。

 

クラミジア

検査推奨期間:5~14日
NAAT検査では、感染機会から5~14日と報告されています(3)

再検査の期間:10日~14日後
治療が終わってから、28日後のNAAT検査が推奨されています(4)。
死菌が28日程度まで存在することがあるため、それ未満の検査では治っていても陽性と出てしまうと報告されています。
しかし、この長さは現実的ではありません。予防会で蓄積された経験的な知見から10日~14日で大方問題ないと考えています。

 

トリコモナス

検査推奨期間:4~28日
検査を受けるのに最適な期間に関する信頼性のあるエビデンスはないとされています。
In vitro(実験レベル)の報告からは、感染機会から4~28日が推察されています(5)。

再検査の期間:10日~14日後
治療開始から、3か月後の検査が推奨されています(5)。
この長さは現実的ではありません。予防会で蓄積された経験的な知見から10日~14日で大方問題ないと考えています。

 

梅毒

検査推奨期間:14~56日
大体感染機会から14~28日週間で陽性となり始め、最大56日までかかると報告されています(6)。

再検査の期間:30日後
治療開始から、半年後の検査が推奨されています(7)。
梅毒ではペニシリンGに対する耐性菌は報告されておらず、ペニシリンGの注射から14日で梅毒は治癒すると考えられています。
そのため、ペニシリンGの筋肉注射が基本である欧米では、治癒確認のための検査は行わず、経過の確認として半年後に検査を行うことが基本となっています。それがこの期間での再検査の推奨に反映されています。
国内においては、内服薬の使用もあり、治癒判定基準がガイドラインで示されているので1か月程度での再検査が望ましいと考えられます。

 

HIV

検査推奨期間:15~20日
HIVの検査方法の感度は日々進化しており、現在の第4世代と呼ばれるスクリーニング検査(予防会でも使用しております)の検査推奨期間は、感染機会から15~20日となっています(8)。

 

B型肝炎

検査推奨期間:1~10週間
基本的にはHBs抗原検査と呼ばれるものが使用され、感染機会から1~10週間に陽性になるとされています(9)。

 

まとめ

世界のエビデンス(UpToDate)を基に、予防会の知見も加えて、基本的には以下のように考えていただければと思います。
・検査推奨期間:淋菌 / クラミジアは2週間、トリコモナス / HIVは1か月、梅毒 / B型肝炎は2カ月
・再検査までの期間:淋菌 / クラミジア / トリコモナスは10日~2週間、梅毒は1か月

検査推奨期間
 

1) UpToDate: Clinical manifestations and diagnosis of Neisseria gonorrhoeae infection in adults and adolescents
2) UpToDate: Treatment of uncomplicated Neisseria gonorrhoeae infections
3) UpToDate: Clinical manifestations and diagnosis of Chlamydia trachomatis infections
4) UpToDate: Treatment of Chlamydia trachomatis infection
5) UpToDate: Trichomoniasis
6) UpToDate: Syphilis_ Screening and diagnostic testing
7) UpToDate: Syphilis_ Treatment and monitoring
8) UpToDate: Screening and diagnostic testing for HIV infection
9) UpToDate: Hepatitis B virus_ Screening and diagnosis

記事の執筆


著者情報 新宿サテライトクリニック 院長 北岡 一樹(きたおか かずき)

予防会 新宿サテライトクリニック 院長
早稲田大学招聘研究員

北岡 一樹(きたおか かずき)

三重大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院で研修を行った後、内科勤務しながら、名古屋大学大学院細菌学博士課程へ入学。薬剤耐性菌研究に携わり、博士(医学)取得。
その後、早稲田大学で招聘研究員として研究を開始。同時に、医療法人社団予防会新宿サテライトクリニックで性感染症診療も開始し、現在、院長を務めている。
性感染症について診療だけでなく研究も行っており、ファージを用いた性感染症予防の実現(性感染症予防のゲームチェンジャー)に取り組んでいる。

性感染症が不安な方へ

性感染症は、早期発見と正しい治療が大切です。
予防会なら、保険証不要・匿名で誰にも知られずに性感染症の検査を受けることができます。全国のクリニックでも検査が可能ですし、お時間がない方や病院に行くのは抵抗があるという方は、郵送検査キットをご活用いただくのもオススメです。

予防会では、はじめて検査を受ける方に向けて、わかりやすくマンガで解説しています。是非ご覧ください。

マンガでわかるはじめての性病検査
コラム用

人気のコラム 人気のコラム

COLUMNS

新着情報 新着情報

NEWS

ここまでが本文です