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2023.12.15

STDを防ぐ

特集

TOKYO STARTUP GATEWAY2023で優秀賞を受賞しました!

予防会は、性感染症の検査・治療に取り組んでいます。
加えて、性感染症を予防できる新たな薬の開発・導入を目指しています。

ファージと呼ばれるものを用いて、コンドームしかない現状の性感染症予防法(着用しないと防げない、確実でない)にゲームチェンジを起こし、検査・治療と併せて、性感染症で苦しむ人がいない世界の実現を目指しています。

この事業で、新宿サテライトクリニック院長の北岡が、東京都主催の起業家のコンテストである、TOKYO STARTUP GATEWAY2023に参加し、11/26の決勝大会で、優秀賞(150万円)を獲得できました。

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応援・ご協力いただき、誠にありがとうございました。

 

 

「性感染症に感染するだけで不妊になり得る」

 

「性感染症に感染するだけで不妊になり得る」

このことは世間で十分に知られていません。

私も性感染症診療にしっかりと取り組むまでは分かっていませんでした。
性感染症に不妊のリスクがあることは知っていましたが、治療すれば不妊にならないと思っていました。

世界最高の医療エビデンスである【UpToDate】には、以下のようにあります。

「クラミジアや淋菌において、感染後、子宮・卵管へ上行した場合(PIDといいます)、たとえ治療したとしても卵管障害が残り、不妊となることがある(1)。」

クラミジア・淋菌は無症状が多く(70~85%)、15~20%でPIDと呼ばれる状態になるため、実際、このことはかなり多く起こっています。

事実、性感染症が不妊の原因の1/3を占めると報告されています(2)。

この「性感染症に感染するだけで不妊になり得る」ということは、是非皆様に知っておいてほしいと思います。

不妊の一因は性感染症
 

性感染症×ファージ

 

「性感染症に感染するだけで不妊になり得る」ということは、不妊を防ぐためには、「感染を予防するしかない」ということになります。

現在のところ、感染の予防方法はコンドーム着用です。

有効な方法ですが、効果は確実ではなく、着用率は36~70%と低く(3)、着用自体男性に依存しており、着用できない性風俗従事者もいます。

この予防方法がコンドームのみである現状を変えたいと思いました!

コンドームについて
 

予防会は早稲田大学と協同して、細菌を食べるウイルス「ファージ」の研究に取り組んで来ました。

実は、「ファージ」(下記の宇宙船のような形をしています)は世界で一番多く存在する生体です。

いたるところに存在し、勿論皆さんの身体にも存在しています。

ファージ
現在、抗菌薬の効かない薬剤耐性菌が増加しており、将来的には世界最大の死因となると言われています。

これに対抗できる夢の治療がファージです。

実際に世界的学術誌Cellに特集され(4)、化粧品や食品加工などで既に実用化もされています。

一方、有効な範囲が狭い(特異性)という課題があります。

そこで、新宿サテライトクリニック院長北岡は「流行株」に着目し、「流行株に有効」=「多くの株に有効」なレディーメイドファージ(事前準備可能)を発見しました(5)。

有効範囲について
 

これを性感染症予防薬へ応用し、膣錠・膣ローション・亀頭ローションなど様々な剤形で提供します。

物理的障壁がなく、忌避感がありません。

コンドームは物理的障壁があるため着用を避けられ、未着用率増加につながっており、それに対する優位点となります。

また、コンドーム着用制限もある性風俗従事者でも使用できます。さらに、数日は効果が持続するため、事前投与だけでなく、事後投与も可能で、事後投与はコンドームでは不可能な点です。

ファージの利点
 

このファージによる性感染症予防薬により、コンドームしかない性感染症予防法のゲームチェンジを起こし、性感染症やそれに伴う不妊に苦しむ人がいない世界を目指します!

現在、早稲田大学と研究開発している段階で、ベンチャー起業後、2~3年後を目途に、まずは予防会クリニックグループで販売することを目指しています。

最終的には、コンドームのようにいつでも・どこでも・誰でも買えることを目指します。

 

TOKYO STARTUP GATEWAY2023の結果

 

新宿サテライトクリニック院長北岡は、予防会のバックアップの下、この「ファージによる性感染症予防薬」事業で起業を進めており、東京都が主催する起業家(スタートアップ)コンテストに応募していました。

2963人のなかから、10人のファイナリストに選ばれ、11/26の決勝大会で、優秀賞(150万円)を獲得することができました!

応援くださり、ありがとうございました。

大会の模様3
 

このことによって投資家やコンサルタントの方にも、事業に参画していただくこととなり、事業化に向けて加速しています。
また優秀賞を獲得したことで、必ず実現させないといけないという責務を負っていると思います。

今後も進捗を報告していきます。
まずは受診者にいの一番にご提供できるようにします。

また、研究費の不足もあり、クラウドファンディングも検討しており、ご協力をお願いすることがあるかとも存じます。

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます。

 

まとめ

 

「性感染症に感染するだけで不妊なり得る」

ファージによる性感染症予防薬(コンドーム未着用でも予防可能)開発中

→TOKYO STARTUP GATEWAY2023優秀賞獲得

 

  • UpToDate:Long-term complications of pelvic inflammatory disease
  • Wølner-Hanssen P. Silent pelvic inflammatory disease: is it overstated? Obstet Gynecol 1995; 86:321.
  • オカモトラバーズ研究所:コンドームに対する調査結果
  • Strathdee SA, Hatfull GF, Mutalik VK, Schooley RT. Phage therapy: From biological mechanisms to future directions. Cell. 2023;186(1):17-31.
  • Yamamura S, Kitaoka K, Yamasaki Y, et al. Relationship between Phage Lytic Spectra and Sequence Types in Extended-Spectrum β-Lactamase-Producing Escherichia coli Isolated in Japan. Jpn J Infect Dis. 2022;75(6):623-626.

記事の執筆


著者情報 新宿サテライトクリニック 院長 北岡 一樹(きたおか かずき)

予防会 新宿サテライトクリニック 院長
早稲田大学招聘研究員

北岡 一樹(きたおか かずき)

三重大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院で研修を行った後、内科勤務しながら、名古屋大学大学院細菌学博士課程へ入学。薬剤耐性菌研究に携わり、博士(医学)取得。
その後、早稲田大学で招聘研究員として研究を開始。同時に、医療法人社団予防会新宿サテライトクリニックで性感染症診療も開始し、現在、院長を務めている。
性感染症について診療だけでなく研究も行っており、ファージを用いた性感染症予防の実現(性感染症予防のゲームチェンジャー)に取り組んでいる。

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万が一、予防会の検査で陽性反応が出た場合には、予防会のクリニックや信頼できる医療機関をご紹介します。
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お気軽にご相談ください。

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