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2025.08.14
STDを防ぐ
特集
梅毒(ばいどく)という名前を聞くと、「昔の病気じゃないの?」と思う方も多いかもしれません。たしかに、かつては世界中でとてもこわがられていた病気で、日本でもしばらく落ち着いていた時期がありました。でも、ここ10年くらいのあいだに、また少しずつ報告が増えてきています。
もちろん、むやみに心配しすぎる必要はありません。ただ、「知らないままにしておく」と、気づくタイミングを逃してしまうかもしれません。だからこそ、今の日本ではどんなことが起きているのかを、できるだけわかりやすくまとめました。
どの都道府県で何人くらい見つかっているのか(実数)、その地域の人口に対してどれくらいの割合か(人口比)、そして去年と比べてどう変わったか(増えた?減った?)。この3つのポイントに注目すると、今の梅毒の流れが少し見えてきます。
都道府県 | 2025年上半期(人) | 人口100万人あたり | 2024年上半期(人) | 差分(2025−2024) |
---|---|---|---|---|
北海道 | 138 | 26.4 | 119 | +19 |
青森 | 6 | 4.8 | 6 | 0 |
岩手 | 16 | 13.2 | 17 | -1 |
宮城 | 61 | 26.5 | 54 | +7 |
秋田 | 8 | 8.3 | 10 | -2 |
山形 | 15 | 14.0 | 10 | +5 |
福島 | 36 | 19.6 | 35 | +1 |
茨城 | 84 | 29.3 | 73 | +11 |
栃木 | 38 | 19.7 | 48 | -10 |
群馬 | 42 | 21.7 | 40 | +2 |
埼玉 | 151 | 20.6 | 117 | +34 |
千葉 | 129 | 20.5 | 136 | -7 |
東京 | 905 | 64.4 | 1001 | -96 |
神奈川 | 209 | 22.6 | 203 | +6 |
新潟 | 22 | 10.0 | 29 | -7 |
富山 | 14 | 13.5 | 11 | +3 |
石川 | 17 | 15.0 | 26 | -9 |
福井 | 15 | 19.6 | 9 | +6 |
山梨 | 13 | 16.0 | 8 | +5 |
長野 | 21 | 10.3 | 27 | -6 |
岐阜 | 43 | 21.7 | 35 | +8 |
静岡 | 88 | 24.2 | 79 | +9 |
愛知 | 220 | 29.2 | 206 | +14 |
三重 | 28 | 15.8 | 33 | -5 |
滋賀 | 21 | 14.9 | 23 | -2 |
京都 | 46 | 17.8 | 38 | +8 |
大阪 | 423 | 47.9 | 544 | -121 |
兵庫 | 79 | 14.5 | 90 | -11 |
奈良 | 25 | 18.9 | 22 | +3 |
和歌山 | 5 | 5.4 | 16 | -11 |
鳥取 | 3 | 5.4 | 9 | -6 |
島根 | 5 | 7.5 | 10 | -5 |
岡山 | 73 | 38.7 | 83 | -10 |
広島 | 64 | 22.9 | 70 | -6 |
山口 | 26 | 19.4 | 20 | +6 |
徳島 | 7 | 9.7 | 20 | -13 |
香川 | 22 | 23.2 | 30 | -8 |
愛媛 | 51 | 38.2 | 41 | +10 |
高知 | 9 | 13.0 | 13 | -4 |
福岡 | 180 | 35.1 | 195 | -15 |
佐賀 | 14 | 17.3 | 22 | -8 |
長崎 | 29 | 22.1 | 30 | -1 |
熊本 | 51 | 29.3 | 53 | -2 |
大分 | 24 | 21.4 | 26 | -2 |
宮崎 | 41 | 38.3 | 44 | -3 |
鹿児島 | 25 | 15.7 | 31 | -6 |
沖縄 | 33 | 22.5 | 38 | -5 |
全国計 | 3575 | — | 3800 | -225 |
※ 都道府県ごとの性別・年代の内訳は公表の精度に差があるため、ここでは表への一括掲載を控えました。気になる場合は、お住まいの自治体が公開する最新資料をご確認ください。
この表には、2025年の1月から6月までに全国の都道府県で報告された梅毒の人数をまとめています。数字は、できるだけシンプルに3つの見方で整理しています。
まずは実際に見つかった人数(実数)。これを見ると、どの地域で多く報告されているかがわかります。次に、その地域の人口に対してどれくらいの割合なのか(人口比)。人数が少なくても、人口に対して割合が高ければ注意が必要です。そして最後に、去年の同じ時期と比べてどう変わったのか(前年比)。今年は増えているのか、減っているのかを知るヒントになります。
表の中では、赤い数字が「増えたところ」、青い数字が「減ったところ」です。特に注目してほしい数値は、赤太字で目立つようにしています。
最新の数字は、あとから追加で報告されることもあります。1週間ごとの変化だけを見て判断するよりも、数か月の全体の流れを見ていくのが大切です。
それではまず、都道府県別の梅毒の患者数のランキングを見てみましょう。
次に人口比率で見てみましょう!
まず目に入ってくるのは、東京都と大阪府の報告数がとても多いということです。これは、人がたくさん集まる都市では、出会いのきっかけも多く、検査できる場所もたくさんあるからだと考えられます。そのぶん、病気が見つかる機会も増えるので、数字が大きくなるのは自然なことかもしれません。
でも今年は少し違いました。東京では去年より96人少なく、大阪では121人も減っているんです。もしかすると、各地の自治体や保健所が行ってきた「気になったら早めに検査を」という呼びかけや、検査しやすい体制づくりが、すこしずつ実を結んできたのかもしれませんね。早めに調べる人が増えれば、重くなる前に対応しやすくなります。
次に注目したいのが、人口比の数字です。これは、「その地域に住む人の数に対して、どれくらいの人が梅毒とわかったか」を表しています。たとえば、岡山県・宮崎県・愛媛県などは、全体の人数は多くありませんが、人口の割合で見ると高めの数字が出ています。
なぜこうした数字になるのかは、一つの理由では説明できません。たとえば、地元での検査案内が行き届いたことで、受診する人が増えた可能性もありますし、観光シーズンやイベントで人が集まる時期に偶然重なった可能性もあります。地域によっては、保健所が積極的に検査をすすめているところもあります。
最後に、表の赤色と青色に注目してみてください。全国を見わたすと、増えている地域もあれば、減っている地域もあります。このことから、全国で同じような理由で増えているわけではなく、その地域の暮らし方や医療体制、検査の受けやすさ、SNSやメディアでの情報の広がり方など、いくつものちがいが影響していると考えられます。
だからこそ、自分が住んでいる地域の状況を知ることがとても大事です。そして、少しでも気になることがあれば、こわがらずに早めに調べてみること。そうすれば、自分の体を守るだけでなく、大切な人にも安心を届けることにつながります。
Q. 症状がなくても検査したほうがいい?
A. はい。梅毒は、症状がまったく出ないまま進行することがあります。「ちょっと気になるかも…」と感じたら、今のうちに検査をしておくと安心です。
Q. 病院に行くのが不安です。
A. そんな時は自宅でできる郵送検査を使ってみてください。匿名で申し込めて、人と顔を合わせることなく検査ができます。結果を見てから、必要なら病院に行けば大丈夫です。
Q. 検査って正確なの?
A. しっかりした手順で行えば、精度の高い結果が得られます。陽性のときは早めに病院で治療を始められますし、陰性でも不安が続くなら時期をあけて再検査するのも選択肢です。
Q. パートナーに伝えるのがこわい…
A. 「一緒にチェックしておこう」と声をかけるだけでも、自然に伝えられます。二人で検査しておけば、お互いが安心して過ごせるきっかけになりますよ。
Q. 妊娠や出産に関係あるの?
A. はい。妊娠中の検査で見つかることもありますが、妊娠前に気づけると、より安心です。赤ちゃんへの影響を防ぐためにも、少しでも心配があれば検査をおすすめします。
Q. 検査キットってどんなふうに届くの?
A. 中身がわからないように無地の箱や封筒で届きます。名前を書かなくても申し込めるものもあり、自分のペースで進められます。1分で申し込みができて、最短で翌日には手元に届きます。
Q. 最近なんで梅毒の話をよく聞くの?
A. ここ数年、梅毒の報告数がぐっと増えていて、特に若い人や女性の感染が目立つようになってきました。SNSやアプリでの出会いの増加、検査の普及、周囲の認識の変化など、いろいろな背景があります。「昔の話」じゃない。いまの話なんです。
Q. 自分の県の数字が多かったけど、心配したほうがいい?
A. 数字が多いからといって「危ない県」というわけではありません。検査がしやすい地域では、見つかる数も多くなります。逆に、数字が少ない県でも見逃されているケースもあります。だから、数字は「知るためのきっかけ」として見て、自分自身の体調や行動に合わせて判断するのが大切です。
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