カンジダ
細菌性膣症
2017.08.28
ニュース
流行の拡大を抑えるためには、社会がこの現状を知ることが必要だ。
医療機関には、分かりやすい情報提供に力を入れてもらいたい。予防知識の普及と併せて、受診と早期治療への流れを形成していくことが急がれる。
梅毒は、細菌のスピロヘータの一種であるトレポネーマ・パリダムによって起きる。
抗生物質・ペニシリンによる治療が始まった1940年代以降、感染者は世界的に減少していたが、今世紀に入って増加傾向が見られるようになっていた。
厚生労働省によると、日本では2011年ごろから増え始め、昨年の国内患者数は4500人に達した。10年には620人だったので、6年間で7倍以上という大幅増である。
そして、拡大ペースの加速ぶりが憂慮される事態となっている。一昨年の患者数は2700人だったので昨年はその1・7倍だ。1年間でほぼ2倍増である。
都道府県別の患者数は、東京が突出して多く、大阪、愛知、神奈川などがそれに続く。
患者の年齢層は、男性では20~40代が多いのに対し、女性は20代が突出している。女性の場合は、出産年齢層と重なっていることが深刻な問題だ。妊娠中だと胎児も感染し、死産や奇形につながることがある。
日本産科婦人科学会の調査では11~15年の間に、21人の先天梅毒の赤ちゃんが生まれ、うち5人が死亡、4人に後遺症という実態が把握された。
感染の可能性がある性的体験をした場合には、医療機関で診断を受けるべきだ。
梅毒の初期症状は感染後、3週間と数カ月後に表れる。しかし、痛みがなかったり、アレルギー症状などと似ていたりするので、無自覚のままパートナーへの感染の可能性が持続する。本格的な病変が皮膚や脳などに出現するのは数年後だ。
梅毒は早期の抗菌薬内服で治療できるが、感染の予防を第一に心がけたい。免疫ができないので何度でもかかる。把握されていない感染者も少なくないはずだ。流行は統計を上回る。梅毒を過去の性病と侮ってはならない。
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