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2017.09.14

ニュース

梅毒の患者数 約20年で最も多いペース

9月12日 NHK Newsより抜粋

性感染症の「梅毒」について、ことし、全国の医療機関から報告された患者の数は、今月3日までに3700人余りと、この20年近くでこの時期としては最も多くなっていることがわかりました。専門の医師は「薬で治るので気になる症状があれば速やかに受診してほしい」と呼びかけています。

「梅毒」は細菌による感染症で、性的な接触などによって感染して発疹などの症状が出て、放置すると血管が破裂する原因になるほか、妊娠中の母親が感染すると子どもに重い障害がおきるおそれがあります。

国立感染症研究所によりますと、ことしに入って今月3日までに全国の医療機関から報告された梅毒の患者数は3728人に上ることがわかりました。

現在の方法で統計を取り始めた平成11年以降の19年間では、患者数が最も多かった去年の、この時期をおよそ850人上回り、最も多くなっています。都道府県別にみると、東京都が1185人と最も多く、次いで大阪府が497人、愛知県が208人などとなっています。

梅毒の年間の患者数は、昭和20年代には20万人が報告されていましたが、抗生物質の普及とともに減少傾向を示し、平成9年には500人程度になりましたが、6年ほど前から再び増加に転じています。

梅毒患者の推移

梅毒は、国内では昭和20年代に20万人を超える患者が報告され、症状が進行して死亡するケースも少なくありませんでした。

しかし、その後、抗生物質が普及して薬で治るようになると患者数は減少傾向になり、平成9年には年間に報告される患者数が500人を下回りました。

こうした状況は10年以上続きましたが、平成23年ころから再び増加に転じ、年間の患者の報告数は平成25年に1228人と1000人を超え、平成27年には2690人、去年は4559人と大幅に増えています。

ことしも、報告される患者数は増加傾向が続いていて、今月3日までに3728人と、去年の同じ時期を850人余り上回って、現在の方法で統計を取り始めた平成11年からの19年間ではこの時期としては最も多くなっています。
梅毒 症状など特徴は

梅毒は、主に性的な接触で感染する細菌性の感染症です。

梅毒は感染してから3週間から6週間、はっきりした症状が現れない潜伏期間があります。

その後、梅毒の原因となる菌が侵入したところに潰瘍ができたり、リンパ腺が腫れたりしますが、発熱や痛みがないのが特徴です。これらの初期症状は治療をしなくてもしばらくするとなくなってしまいます。

感染から3か月程度たつと、全身や手のひら、それに足の裏などに、赤い発疹がでるほか、発熱や体のだるさを感じるなどの症状が出ますが、これも時間がたつと、ほとんどのケースで症状がおさまってしまいます。

感染から2年から10年程度が経過すると体に大きな腫瘍ができたり、血管の大動脈が破裂したりするほか、神経がまひして体が思うように動かなくなるケースもあるということです。治療法がなかった戦前は死亡するケースも少なくありませんでしたが、今では抗生物質のペニシリンで治すことができるようになり、死亡する例はほぼなくなりました。

しかし、症状が出ていない時期でも、性的な接触でほかの人に感染させる可能性があり、不特定多数の人と性的な関係を持つことで感染を拡大させることが懸念されています。また、妊娠中の女性が感染するとおなかの中の胎児にも感染し、生まれた赤ちゃんに重い障害が残るケースもあります。

感染を防ぐためには不特定多数の人間と性的な接触をしないほか、感染していないか検査を受けることやコンドームを正しく使うなどして予防することが大切だとされています。

都道府県別の患者数

今月3日までに報告された梅毒の都道府県別の患者数は次のとおりです。

北海道73人、青森県51人、岩手県10人、宮城県40人、秋田県5人、

山形県7人、福島県36人、茨城県30人、栃木県43人、群馬県43人、

埼玉県139人、千葉県91人、東京都1185人、神奈川県207人、新

潟県14人、富山県10人、石川県16人、福井県14人、山梨県6人、長

野県19人、岐阜県47人、静岡県53人、愛知県208人、三重県40人

、滋賀県19人、京都府54人、大阪府497人、兵庫県128人、奈良県

19人、和歌山県13人、鳥取県6人、島根県0人、岡山県103人、広島

県88人、山口県14人、徳島県9人、香川県52人、愛媛県28人、高知

県12人、福岡県170人、佐賀県12人、長崎県8人、熊本県52人、大

分県10人、宮崎県8人、鹿児島県15人、沖縄県24

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