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予防会からのお知らせや、性感染症(STD)に関するコラムをお届けします。


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2023.02.02

淋菌

STDを防ぐ

特集

【薬剤耐性菌】新宿U35ビジネスプランコンテスト参加のお知らせ【ファージセラピー】

予防会は、薬の効かない菌(薬剤耐性菌)の増加による感染症の治療困難化に備えるため、新しい感染症治療法の研究開発に取り組んでいます。

特に注力しているのが、ファージセラピー1と呼ばれる治療法です。
その一環として、犬や猫の感染症へファージセラピーを応用する研究があり、昨年行ったクラウドファンディングは、ご支援いただいた皆様のお陰で達成することができました。

その後も研究は進行しており、市場導入の目途がつき、新宿U35ビジネスプランコンテストのフォローを受けております。
その最終プレゼンテーションが2月7日に開催されますので、ご紹介いたします。

サムネ用2302
 

 

予防会の取り組みについて

性感染症含め、感染症には、薬の効かない菌、「薬剤耐性菌」の脅威が迫っています。2050年には薬剤耐性菌による感染症の死亡が世界第一位の死因となると予想されています。2

薬剤耐性菌記事用2
性感染症においても例外ではなく、薬剤耐性菌の脅威が迫っています。
例えば、淋菌に対する第一選択薬はセフトリアキソンの注射ですが、薬剤耐性菌が増加し続けています。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)より、以前は125-250mgの用量で治療可能とされていましたが、現在は500mg-1gの用量が必要と発表されるに至っています。3
このままではいずれセフトリアキソンの注射では、淋菌が治癒不可能となる可能性が高いです

薬剤耐性菌

薬剤耐性菌2
そこで、予防会グループの1つである新宿サテライトクリニックの院長を務める北岡を中心として、早稲田大学と協同し、新しい感染症治療法の研究開発にも取り組んでいます。

 

ファージセラピーについて

現在注力しているのが、バクテリオファージという細菌にのみ感染する生物を使用し、感染症を治療するファージセラピーの実用化です。実は、1920年代に実際に使用されていましたが、抗生物質の隆盛により主流から外れていきました。
昨今では薬剤耐性菌の増加に伴い見直され、海外では既に応用されていたりします。

ファージの説明

しかし、「ファージの有効な細菌の範囲が狭い」という欠点により、菌株に対し、ファージをその都度準備しなければならず(オーダーメイドファージ)、臨床的に使いにくい状況であり、普及には至っていません。

そこで、新宿サテライトクリニック院長北岡は、“臨床で使いやすい”という臨床医の視点を最重視し、早稲田大学と共同して研究を行いました。その結果、「流行株に有効なファージを検索する」ことにより、多くの細菌に有効なファージ(レディーメイド(=事前に準備可能な)ファージ)を見つけることが出来、欠点を打破することに成功し、論文にも採択されました。4

 

犬や猫の皮膚感染症「膿皮症」への応用

ヒトへの応用には突破すべき関門が多く、ハナ動物病院の太田先生(映画「犬部!」のモデル)や、犬と猫の皮膚科の村山先生(アジア獣医皮膚科専門医)といった方のアドバイスにより、まずは、犬猫の感染症に対するレディーメイドファージの実用化を目指すことにしました。

犬猫の感染症は、ヒトよりももっと薬剤耐性化が進行し、悲惨な状況です。5
例えば、膿皮症と呼ばれる皮膚感染症において、薬剤耐性菌が67%を占めているという報告があります。実際に、薬剤耐性菌により、膿皮症を治せないことがあり、その場合、犬や猫は痒みが止まらず、一日中しょんぼりして過ごすようになってしまいます

そこで、膿皮症に対するレディーメイドファージを検索し、薬剤耐性膿皮症流行株の多くに有効なファージ「φWsp15」を見つることが出来ました。

 

新宿U35ビジネスプランコンテストについて

φWsp15の臨床導入を目指していた中で、「新宿U35ビジネスプランコンテスト」(https://www.shinjuku-sda.com/)に応募しました。

新宿U35ビジネスプランコンテストとは、今年で5回目となる新宿区のビジネスプランコンテストです。

書類選考通過者は、ビジネスコンサルタントのフォローを受けながら、公開プレゼンテーションの優勝を目指し、入賞すれば事業化まで支援されます。

このファージの臨床導入「ファージセラピーによる犬猫膿皮症の治療」が、書類選考を通過し、2023年2月7日の最終選考となる公開プレゼンテーションへ進むことが出来ました

現在、ビジネスコンサルタントの支援を受け、以前より遥に優れた形で事業化が進んでいます。入賞できれば、より早く犬猫膿皮症を救うファージとして市場導入出来ると思います。

事業展開
 

公開プレゼンテーションの観覧方法

U35
※当観覧募集、公開プレゼンテーションは終了しております。
公開プレゼンテーションは下記日程で開催され、観覧も募集されております。
会場では出演者によるプレゼンテーションの他、出演者や起業支援家等との交流の時間も設けられています。

お時間・ご興味のある方は、観覧をご検討いただければ幸いです。

【日時】2023年2月7日(火) 17:00~20:00
【会場】新宿区立産業会館(BIZ新宿)1階 多目的ホール(新宿区西新宿6-8-2)
【申込期限】令和5年2月6日(月)まで

※公開プレゼンテーション観覧についての詳細は下記URLよりご覧ください。
(https://www.shinjuku-sda.com/)

ファージセラピーを市場導入し、犬猫の感染症から、ヒトの性感染症含めた様々な感染症まで、薬剤耐性菌により不治となることを防ぎます!

記事の執筆


著者情報 新宿サテライトクリニック 院長 北岡 一樹(きたおか かずき)

予防会 新宿サテライトクリニック 院長
早稲田大学招聘研究員

北岡 一樹(きたおか かずき)

三重大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院で研修を行った後、内科勤務しながら、名古屋大学大学院細菌学博士課程へ入学。薬剤耐性菌研究に携わり、博士(医学)取得。
その後、早稲田大学で招聘研究員として研究を開始。同時に、医療法人社団予防会新宿サテライトクリニックで性感染症診療も開始し、現在、院長を務めている。
性感染症について診療だけでなく研究も行っており、ファージを用いた性感染症予防の実現(性感染症予防のゲームチェンジャー)に取り組んでいる。

性感染症が不安な方へ

性感染症は、早期発見と正しい治療が大切です。
予防会なら、保険証不要・匿名で誰にも知られずに性感染症の検査を受けることができます。全国のクリニックでも検査が可能ですし、お時間がない方や病院に行くのは抵抗があるという方は、郵送検査キットをご活用いただくのもオススメです。

予防会では、はじめて検査を受ける方に向けて、わかりやすくマンガで解説しています。是非ご覧ください。

マンガでわかるはじめての性病検査
コラム用
  1. バクテリオファージという、細菌にのみ感染する生物を用いて、感染症を治癒する治療法
  2. Tackling Drug-Resistant Infections Globally:Final Report, WHO, 2016
  3. Workowski KA, Bachmann LH, Chan PA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. MMWR Recomm Rep 2021; 70:1.
  4. Yamamura S, Kitaoka K, Yamasaki Y, et al. Relationship between Phage Lytic Spectra and Sequence Types in Extended-Spectrum β-Lactamase-Producing Escherichia coli Isolated in Japan. Jpn J Infect Dis. 2022;75(6):623-626.
  5. Kawakami T, Shibata S, Murayama N, et al. Antimicrobial susceptibility and methicillin resistance in Staphylococcus pseudintermedius and Staphylococcus schleiferi subsp. coagulans isolated from dogs with pyoderma in Japan. J Vet Med Sci. 2010;72(12):1615-1619.

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