カンジダ
細菌性膣症
2024.02.15
STDを防ぐ
特集
治療が他の性感染症とは異なっていたり、実は薬による予防法があったりします。
特に予防については、十分に留意する必要があることもあります。
*この記事は、世界で最も信頼性のあるメタアナリシス(様々な研究・文献を統合して判断すること)エビデンスの1つであるUpToDate(https://www.uptodate.com)をエビデンスとして記載しております。
↓UpToDateについてはこちらをチェック!↓
https://yoboukai.co.jp/article/2467
性感染症の原因菌は、陰茎(尿道)、膣(子宮頸管)、口腔等に感染しますが、肛門や直腸にも感染します。
特に肛門を介した性行為を行う男性間性交者(MSM)においてよく起こります。
肛門・直腸に感染する性感染症は、HIV、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、淋菌、クラミジア、単純ヘルペスウイルス(HSV)、梅毒、尖圭コンジローマがあります。
HIV、HBV、HCVにおいては、直腸が感染場所となるだけで、直腸に症状は来さず、そのままエイズ、B型肝炎、C型肝炎へ繋がっていきます。
梅毒、淋菌、クラミジア、単純ヘルペスでは、直腸炎を来します。
直腸や肛門の痛みや、肛門から出血や膿がでたりします。
梅毒や単純ヘルペスでは、肛門周囲に潰瘍を認めることもあります。
また、特にクラミジアでは無症状のこともあります。
逆に、クラミジアの一部の株(L1~3血清株)に感染した場合、強い直腸痛・潰瘍・血便を特徴とするリンパ肉芽種と呼ばれる状態になることもあります。
尖圭コンジローマの場合は、肛門周囲にイボを生じます。
肛門の検査は、膣や咽頭と同様で、肛門拭い液でクラミジア・淋菌・HSVの検査を行うことができます。
HIV、梅毒、HBV、HCVでは血液検査を行います。
尖圭コンジローマは視診を中心として、場合によっては病変部位を採取し、検査を行います。
直腸性感染症の最適な治療を定義する研究は限られています。
そのため、文献によって違いがあるのが実情です。
ここでは、世界で最も信頼性の高いエビデンスの1つであるUpToDate、アメリカの感染症のエビデンスを発信するCDCを基にします。
共に、直腸性感染症が疑われた場合、検査結果を待たず、淋菌とクラミジアに対する治療を開始することを推奨しています。
クラミジアについては、子宮頸管や尿道感染への治療へ使われるアジスロマイシンの直腸感染への効果が定まっていないこともあり、ドキシサイクリン(ビブラマイシン)の使用が必要とされています。
したがって、セフトリアキソンの単回投与+ドキシサイクリン1週間投与となります。
また、検査でクラミジア陽性が判明した場合、リンパ肉芽種による重篤化を防ぐために、ドキシサイクリンの服用期間を3週間まで伸ばすこととなっています。
さらに、肛門周囲に潰瘍病変を呈する場合は、HSVに対する治療も追加されます。
(CDC: 2021 STI Treatment Guidelines より)
膣や陰茎に比べて直腸は、より傷つきやすい組織です。
傷があると炎症状態となり、そのような状況は性感染症感染リスクが上がります。
したがって、肛門を介した性行為を行うことの多い男性間性交渉者(MSM)においては、性感染症予防薬の投与が検討されます。
まず、HIVの感染予防に関しては、TDF-FTCやTAF-FTCといった薬剤を、毎日服用するPrEP(暴露前予防投与)がエビデンスを以って認められています。
(*TDF-FTC=テノホビルジソプロキシル/エムトリシタビン)
(*TAF-FTC=テノホビルアラフェナミド/エムトリシタビン)
骨粗鬆症や腎機能低下といった副作用が認められることもありますが、注意深くフォローを続ければ、長期服用も問題ないことが分かっています。
また、HIV感染者との性行為後72時間以内にTDF-FTC とRALもしくはDTGを28日間服用することで、感染を予防する方法(HIV-PEP)もエビデンスを以って認められています。
(RAL=ラルテグラビル)
(DTG=ドルテグラビル)
このHIV-Prep、HIV-PEPは十分なエビデンスが確立されているため、MSMに限らず、膣を介した性行為を行う異性愛者に対しても実施を認められています。
一方、これらの薬剤は、抗HIV薬であり、高価です。
日本国内の薬を使用すると、10万円弱必要となっています。
これに対し、海外からの輸入薬を使用してこの方法を実施している例が散見されます。
しかし、この海外の輸入薬は非常に危険です。
通常、この輸入薬は高価な欧米の薬ではなく、東南アジアなどで製造された薬となります。
これらの国では薬の製造クオリティがまだまだ不十分です。
私も現在製造に関わっており、日本や欧米の製造基準が如何に厳しいか身をもって感じています。
それにより、薬剤はある程度高い値段となっています。
安い、これらの薬剤を使用することで、不純物の混入で重篤な副作用に見舞われる可能性があります。
最近もインドで薬の異成分混入で子供が300人以上亡くなるニュースがありました(1)。十分にご留意ください。
そして、最近、性感染症業界を揺るがしているニュースとして、「DOXY-PEP」というものがあります。
肛門を介した性行為を行うリスクの高いMSMにおいて、行為後72時間以内にビブラマイシンを服用し、感染を予防する方法です。CDCにも記載されるようになりました。
しかし、十分な注意が必要です。
効果があるのはクラミジア・梅毒のみです。
ビブラマイシン耐性が著しい淋菌には無効です。
また、その効果も70%に過ぎません。
そして、ビブラマイシンは本来急性感染症の治療薬として使用されてきたこと、抗生物質は常在菌や肝腎機能への影響が強いことから、このような使用方法の安全性は分かっていません。
これらのことから、CDCも「推奨」ではなく、「記載」に留めています。十分にご留意ください。
これらのことから、予防会としては、ヒト細胞や常在菌に影響を与えない安全な「バクテリオファージ」というものを使用した予防薬を開発しています。
副作用が無く安全に予防できる薬を提供できるようにしたいと思います。
↓性感染症の予防薬になる!?バクテリオファージについてはこちらをチェック!↓
https://yoboukai.co.jp/article/2815
(CDC: 2021 STI Treatment Guidelines より)
まとめ
・直腸性感染症では直腸痛、肛門痛、出血、膿などの症状を来す→疑えば性感染症検査へ
・子宮頸管や尿道の性感染症とは異なる治療が行われる→性感染症治療に慣れている病院での治療をオススメ
・予防もあるが、海外輸入薬やエビデンス未確立の方法に留意が必要
UpToDate: Evaluation of anorectal symptoms in men who have sex with men
UpToDate: HIV pre-exposure prophylaxis
UpToDate: Management of nonoccupational exposures to HIV and hepatitis B and C in adults
CDC: 2021 STI Treatment Guidelines を基にしています
1) https://answers.ten-navi.com/pharmanews/24789/
記事の執筆
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